メディア報道とモノノフの程遠い感覚(春の一大事 2018 in 東近江市)

f:id:KEN_T:20180308135125j:plain — ももいろクローバーZ公式サイトより

某メディアがろくに取材もせずに、会場の最寄駅が普段無人駅なのだが無茶じゃないか？大丈夫なのか？という論調でライブ開催について掲載。モノノフ（ももクロファン）の多くは、我々の感覚と大いな隔絶を感じ憤っていた。どうやらももクロの運営サイドに対して取材があったわけでもないらしい。

取材者とモノノフとの感覚の大きな隔絶というのはなんなのかということを僕なりに描いてみます。一応、簡単に言うとモノノフにせよ運営にせよそんなことは、織り込み済みで対応済みな話だったってことです。

春の一大事というコンセプト

今回のライブは毎年春にあるライブシリーズの一つで「春の一大事」というもの。そのコンセプトは2014年までのものと2017年からのものとは違いがあります(2015-2016は別シリーズ)。2014年まではメンバーが脱退したり、念願の国立公演だったりと、メンバーにサプライズが発生するというものでした。2年の休みがあって2017年にはコンセプトを新たに春の一大事が復活。2017年からは「ももクロが日本各地に一大事を起こしに行く」、すなわち「日本各地の自治体と協力して、町おこしも兼ねてももクロがライブへ出向きますよ」というものになりました。

そもそも交通の便が良くて、ライブを普段からできるところへは、ももクロに限らずすでに色んなアーティストが行ってます。そんなところは町おこしのニーズは低いことでしょう。なので基本的には、交通の便が比較的良くないところへ行くことになります。ファンはそれを知った上で行っています。そして行くファンはそのコンセプトにも賛同しています。

今年からは自治体からの応募と選定を経ています。ももクロが勝手に無茶しに行ったわけじゃなく、東近江市からの要望で行っています。もちろん東近江市サイドもそのためのシフトを敷いていますし、ももクロサイドもそれに甘えることなく溜まったノウハウをいかんに発揮しています。

そういう経緯があるわけですから、迷惑者とそのファンが来るような報道に対して怒りを感じるのです。町おこしを目的としているので、宣伝になるならと東近江市もももクロ側も取材に応じるでしょう。それをもすっ飛ばすなんて、手抜き取材としか我々は感じませんし、印象を悪くする害と感じます。

ももクロの縁でもなければ東近江に縁がない人も多いと思います。遠くてもわざわざ参加しようとするモノノフは、「せっかくの縁なんだからと楽しんでお金を落とそう」と思っている人も多いです。モノノフは「ももクロによる町おこしのちから」を証明したい部分もあるかもしれません。善な動機でライブを楽しもうとしているのに、水を注された思いです。あー近江牛美味しかったな〜！広い空の夕焼け空も印象的でした！

取材以前にネットで調べれば分かること

近江八幡駅から会場への公式バスは正直高い。往復2000円。2日行けばで4000円。チケット代(8000円/日)とは別にですし、20-30分の所要時間。座席がいっぱいなら立って乗車も予想できます。ライブだけでも疲れるんですから避けたいのが人間でしょう。

他の手段はどうだろうと考えてモノノフはみんな色々調べて検討しただろうと思います。今回話題の近江鉄道に関しては、調べてみると1時間に2本程度。車両数も少ない。臨時便が出ても慣れていないだろうから、そこまで潤沢には用意できないだろうと想像できます。そうなるとやっぱり公式バスを選択することになるでしょうね。

公式バス案内は誰でも見れるライブの特設サイトで細かく記載されてますから、そういうものがちゃんと用意されていることは、取材に出かけなくとも分かること。それでもバスだけで本当に対応出来るか心配なら、バスチケットの売上を把握しているももクロサイドへ取材すればいいだけですからね。やっぱり取材の甘さに関しては違和感を感じます。

ちなみにももクロサイドは、こういうことをすると関係を切ったりしますからご注意ください（ex. チケットぴあ）。案外人の感情で動くのが事務所の体質なんです（逆に良い縁はすごく大切にもします）。とは言え、切ったものの利用しよう（宣伝に使おう）と思ったら普通の顔して近づいてきますけどね。その場合はきっとイヤミを言われることもついてくるとが予想されます。

ライブ後の他のメディアの報道とあえてフォローしてみるなら

ライブがあった翌日はライブの様子がテレビで放送されました。内容はライブの様子とともにやっぱり無人駅に3万人というもの（当日の近江鉄道利用者は3600人ほどという情報があるとこも）。問題の先行した報道とは違い、ライブ後なので「問題なかった」という結末つき。鉄道の心配ばかりで本質的な部分が全然表現されてないなって感覚はありますが、「そこまで報道されてるなら」と怒る人はいません。

あえてメディアをフォローするなら、「いかに人が普段いないところに人が来るかを表現したかった」のかもしれません。普段無人駅の会場に3万人が押し寄せるインパクトを表現することを考えたらそれがベストだったんでしょう。

モノノフに言うなら

で、近江鉄道を使わなかったモノノフが近江鉄道を使ったモノノフへあえて言うなら、地元の人らにどうしても迷惑かけてしまうんだから公式のバスを使おうよ。迷惑をかけに行ってる自覚はなくとも、人が多いってだけで負担になるんだからね。（自分ちの前に20人の人だかりが静かにいるだけでも迷惑だよね？）みんな優しいから「バスを使わないのも自由だし、人によってはただならぬ理由があって近江鉄道を使ったのかもしれないし」とか考えて、言わないでいてくれるんだと思います。だけど実際にはほとんどの人は「バス使おうぜって」思ってると思ったほうがいいよ。